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□後悔
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俺がまだ院生の頃、周りは俺を特別視していた。
俺にはそれが我慢出来なくてたまに叫びたくなる時もあった。
男も女も近付いて来る奴はみんな俺じゃなく、俺が特別視される理由の方に興味を持って近づく訳だ。
そんな中で俺は人との付き合いに嫌気がさしていて周りと付き合わなくなっていた時があった。
そんな中、庭でうずくまる女に目が止まった。
近づいて声をかけるといつもの胃痛だからすぐ治るって言って診てもらった方がいいと言ってもそこから動こうとしなかった。
すぐ治るって言う割りにはいつまでも苦しそうで見ていられなかった。
女が何を言おうと連れて行くしかないと思った俺は女を抱えて医務室まで走った。
中で処置をしてもらっている間外で待っていた。
呼ばれて中に入ると気まずそうな顔をしてお礼を言われた。
その時の顔が焼き付いて離れなくなった。
それからは女が退院するまで毎日見舞いに行った。
見舞いに行く中で知った事は女の名前が仁美って言う事と俺と同期で同じく期待されている人材である事だった。
俺と同じように入隊が決まっていると言っていた。
退院の日、仁美を迎えに行った俺は告白をした。
仁美も俺を想っていてくれたみたいでOKをもらえた。
仁美は他の奴らとは違ってちゃんと俺を見ていてくれた。