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□後悔
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仁美を部屋に置き去りにしてから二、三ヶ月経った頃に仁美にキスしていた男と鉢合わせした。
顔を見た途端にその時の怒りが込み上げてきて男に詰め寄った。
男は俺がいくら何を言ってもキスなんてしてない。
しようとしたら男の名前を呼びながら逃げられたってそれしか言わなかった。
体を抱き止められながらもあそこまで逃げた女も初めてだとも言っていた。
今の話は本当なのか?
だとしたら‥
あの日から見なくなった仁美を探した結果、入隊が決まっていた二番隊の実地研修に行ったと言われた。
それも、半年以上帰らないとも‥。
あらゆる罵りの言葉をぶつけられてボロボロにされ、放置された仁美につけた傷は深い。
俺はなんて事をしたのか‥
今すぐに死んでしまいたいとさえ思った。
けど、謝るまではそんな事もしていられない。
やってしまった事の責任だけは取らないといけない。
そうこう思いながら月日は過ぎて結局逢えないまま今日を迎えていた。