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□ロングロード
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仁美はと言えば、かなりのショックからなかなか立ち直る事が出来ずにいた。
喜んでくれるかな‥
不安でいっぱいだったが病室の仁美に報告をした。
「俺、社長になったよ。皆から賛成を受けてな。もう俺達の事に口出しする奴も反対する奴もいない」
『おめでとうございます、社長‥。もう私は必要ありませんね』
「何言ってるんだ?仁美がいたから出来た事なんだぞ。この先、お前が傍にいてくれないなら会社を潰す」
『何バカな事を‥。こんな傷物はいない方がいいに決まってます』
「今会社に残ってるのはみんな、俺の理解者ばかりだ。みんなが俺の嫁さんは仁美じゃなきゃダメだって分かってる。お前を連れて帰らないと俺が叱られる」
『ダメです。社長に相応しい奥さんを‥探して‥くだ‥さい‥』
「そんな事言うなら何で泣く?‥俺の側にいてくれ。これからは俺の嫁さんとしてだ。ガキの頃から一緒にいて一度も言った事がなかったな‥」
『何を‥ですか?』
「愛してる‥」
『‥ぅ‥っ‥バカ‥バカ!‥修兵の‥バカ野郎‥』
「待たせて悪かったな‥。仁美、結婚してくれ」
『修‥兵‥大好きだよ!ずっとここにいて‥どこにも行かないで‥このまま離さないで!』
俺は幸せだった。
初めて本当の幸せを味わったようなそんな気分だった。