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□タッチ・ミー
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「俺に逢いに来てくれたのか?」

『‥‥』

「もしかして誤解とかするなよ!あいつとは何にもないんだ。あいつがふざけてやった事だからな?」

『不安だったの‥。夜は逢ってくれないし‥さっきの子みたいに触れてもくれないから』

「あはははっ!」


いきなり笑った俺をおかしな物でも見るような顔で見つめてる。


「笑っちまうだろ‥俺もお前もまるっきり同じ事で悩んでたんだからな」

『そうなの?私だけじゃなかったんだ』


そう言いながら仁美もクスクスと笑った。


「ごめんな‥不安にさせちまって」

『私も‥ごめんなさい』

「なぁ仁美、俺の部屋に来いよ。今夜は帰したくねぇんだ」


仁美の肩を抱いて歩き出した。

思った以上に細い肩。

この肩にかかるもんを軽くするどころか余計なもんを増やしちまった。

仁美にかかる負担を減らすって言うのは傍にいて抱きしめるだけでもキスする事だけでも出来るんだって分かった。

大事にしたいと思う気持ちだけが先走って大事な人形のように扱ってた。

仁美も俺も生きてるんだ。

それを忘れるとこだった。

大事だからこそ触れないと分からない事もあるんだ。

今俺の腕にある温もりが離れて行かないように‥

今夜はずっと抱きしめていよう‥‥。






End
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