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□友達以上恋人‥
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夜、仁美の部屋に酒とつまみを持って遊びに行く事にした。

声をかけても返事がないのに霊圧は消してない。

やけに不安感を煽られた俺は断りもなく部屋に入った。

灯りもつけずに窓辺に寄りかかって空を眺めてる。


「仁美、何かあったのか?」


頬に手を添えてこっちを向かせると涙をこぼした。


『修兵‥私‥』

「どうしたんだ?何があった?」


俺の肩に頭をちょこっと乗せて胸元を掴んで声をあげて泣き出した。

髪を撫でながら泣き止むのを待った。


『ふられちゃった‥て言うか‥彼女いるって知らなかった‥』


あいつか‥

彼女持ちじゃ仕方ねぇよな‥。

月並みな言葉しか浮かばなかったけど俺は俺なりに精一杯仁美を慰めた。

そして涙に濡れた顔を上げた時だった。

っ!!

仁美ってこんなにいい女だったか?

これまで女を意識してなかったから分からなかっただけ?

こんな女をふるなんてバカな男だ。


『修兵?』

「ん?あぁ‥悪ぃ。酒持って来たんだ。飲もうぜ」


名前を呼ばれてやっと視線を剥がした。

二人で酒を飲んでいい加減酔いも回って来た。

そろそろ帰るか‥


『ねぇ、修兵‥キスして』

「お前酔ってんだろ?」

『キスくらいいいでしょ?』


キスだけか‥

俺はそれ以上進んでも構わないんだけどな‥

それ以来、俺達はよくキスするようになった。





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