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□困った二人
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「先輩、仁美の事諦めたんすか?」
左隣に座ってる阿散井が俺を突っつきながらコソコソと聞いてきた。
「バカ。俺は一回ふられてんだ」
「でもそれって本気にしない方がいいっすよ」
「なんだそれ」
「先輩がふられたあと仁美の様子がおかしくて見てたんですけどね、あいつ書類にびっちり先輩の名前書いてため息ついてましたよ」
「は?」
「何日もそんなんが続いて隊長に叱られてました」
それってどう解釈すればいいんだ?
もしかして俺の事が好きだったりしてくれんのか?
阿散井と話してる間に仁美さんの前にはかなりの本数のお銚子が転がっていた。
ちらっと阿散井を見ると意味ありげな視線で俺と仁美さんを見ている。