交差する星屑
□未定
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「ふあぁあ……今日は暑いな…」
欠伸と共に、そう漏らしたのは赤髪の少女、天音りお。彼女は今、太陽がさんさんと照りつける並木道を歩いている。今日は夏休みになる一日前…明日は終業式で明日からは学生には嬉しい長期の夏休みに入るのだが…
「…こう暑いと、泳ぎたくなるな…全く、これだから夏はいやなんだ」
ここ最近、非常に暑い日々が続いている。夏は、りおからすれば憂鬱な季節でしかなかった。
「なんで夏が嫌いなんだ?」
「…雨は降らなくなるし暑いしバカは増えるし…って!?」
思わず後退りするりお…しかし、その姿を確認してすぐに落ち着きを取り戻した。
「よっ、おはよう。りおちゃん」
「えいむ…いるならいると言え」
「ん?俺的には言ったつもりだったけど…」
「心の中で言ったとかだったら一生サボりが出来ないようにしてやろうか?」
「いや、どうやるんだよそれ」
えいむがりおの発言に突っ込みを入れる…確かに、一生動かない身体に…とかならよく聞くが、一生サボりが出来ないように…とは聞いた事が無い。
「…さきを教師に」
「いや、いくらあの人でも教師は無理だろ?それにそれでもサボるし」
「うちのメイドを舐めるなよ?その気になれば自衛隊でも大学の教師でも行けるぞ。さきが来たら徹底的にサボリスト共を監視だな♪」
楽しそうに笑うりおの姿にえいむは色んな意味で苦笑する。ちなみに、二人の仲は決して悪くは無い。付き合いは短いが、寧ろちょっとした兄妹のように仲がいい。
サボりを止めるとかさきと呼ばれているメイド、四条さくやが教師になる云々より、それほどまでにさくやを信頼し、誇らしげに語るりおの姿がなんだか微笑ましくてえいむは笑った。