ТimЁ≠DooЯ

□標的18 ディーノ再び
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デ「いてててて…。

って、何だお前等。迎えなんて頼んでねーぞ。」


出て来たのはディーノだった。
整った顔の左頬が若干赤みを帯びている。ドアを開けていない左手でそこを抑えていた。


その瞬間さっきより花澤の顔は真っ赤になる。

その光景にツナは眉をひそめた。


ロ「誰も迎えになんてきてねーよ、ボス。
散歩してブラついてたらここについただけだぜ。」


「俺もだ」

「俺も」



デ「駅前のホテルからかよ…。」



ツ「『ぷっ。』」


思わずツナと吹き出した

こういうボスと部下の関係っていいよな…。
家族とは違うけど同じくらい大切な絆。

羨ましくなった。


将来、俺はツナ達とこういうふうになっているだろうか…?


考えようとして…やめた

俺は違う世界から来た人間であっていつ戻されるのかわからないのだ。

それは明日かもしれないし遠くない未来かもしれない。


そんな俺が未来を望む自体間違っているのだ。


それにツナ達を汚すという事は絶対あってはならない。


思わず目をふせて自嘲した。


ふと視線を上げるとそこには隼人がいた。


考え事をしていて気づかなかった。


そしてなぜか隼人はディーノを睨んでいる。

ディーノと花澤の距離が近いからだという理由だったのは花澤は知らない。



武「ツナと獄寺と沙耶香じゃねーか。
何やってんだ、おめーら遅刻するぜ。」


条件反射で見るとそこにいたのは武だった。


……キャバッローネに負けず劣らずボンゴレもだな。


花澤は自嘲からくる笑みを心からの笑みに変えた。


武「沙耶香も行こうぜ。」


武はツナと隼人の肩に手を回した後、花澤の手を引っ張った。


『ひゃっ!』



いきなり引っ張られたため少しつんのめる。

花澤は3歩くらいたたらを踏んでから大勢を整えた。


武「ども
(あんま沙耶香に近付くなよ。(黒笑))」


デ「よ
(コイツ…。手強いぜ。)」


会話は挨拶だけで穏やかだが視線ではそのやりとりを繰り広げている2人

そんな2人をやはり知らない花澤はさっさと歩き出した。


武「あ、沙耶香待てよ。」


武がツナと隼人に腕を回したまま歩き出した。


隼「なれなれしくすんな!」



武の回した手を隼人がほどこうと暴れる。

その様子をディーノは遠目に見ていた。



デ「あれがツナのファミリーか…。
てんで子供だな。」


だがあの山本という奴は侮れねーな、と心の中で付け足し嘆息した。


リ「気になるみてーだな」


いつの間にかリボーンがディーノの隣にいた。


ディーノの独り言のような呟きにリボーンが返す

家の塀に座り目線の高さは一応背の高いディーノと大体同じになっている


デ「そりゃーな。
昔の俺にそっくりな可愛い弟分のファミリーだぜ」


それにディーノは予想通りというように驚きもせずに言い返した。


リ「どーだ、使えそーか?」


デ「どーかな。
ファミリーにとって最も重要なのは信頼だ。それが見えねー限り俺は認めねえよ。」


この場に花澤がいたならディーノの言葉に目を輝かせただろう。

部下がいないとてんでダメなディーノだが裏返せばそれはかなりの部下思いという事。


それ故に、大切な弟分…それもヘタレだが仲間思いの昔の自分に似たツナには皆がお互いに信頼できるファミリーになって欲しい。


リ「だったらいっちょ試してみるか?」


デ「試す?」



予想外の言葉にディーノは復唱した。


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