ТimЁ≠DooЯ
□標的1 並盛
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暑いなあ……。
ジリジリと。容赦無く日光が照りつける。
胸元なんてサラシのせいで汗だらだらだ。
大体、何で俺は長袖を着ているのだろう。
答えは簡単。俺の世界の季節は少し肌寒い秋だったのだ。
これがキンキンに寒い冬でセーターやら厚着をしていたらと思うと恐ろしい。
―――それにしてもここどこだ?
あたりを見渡しても家家家。
多分――、いや絶対REBORNの世界なんだろうけど…。
汗が首をつーっとつたった。
ずれる眼鏡を押し上げる。鼻汗やばいな…。
道端でアスファルトの熱により人間焼きになる直前に目を覚ましたのは十数分前。
起きたときは背中が暑すぎて意識が飛びかけた。ってか死にかけた。
その瞬間、俺はあの神ってやつを殺すことを心に決めたのだ。
…というのは置いといて。ひたすら歩いて何分たったんだろう。
汗をぬぐい、目の前の十字路を右に曲がった。
そして俺の目に飛び込んできたもの。並盛商店街。遠くにそう書かれたアーケード。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!!!!
思わずガッツポーズをする。
ちょ、通行人に見られた!?
思わず髪を直すふりをして誤魔化した。
ぎゃ、逆に変な目で見られた……。
あまり人いないなー。
商店街は平日の昼間ということで人があまりいない。
だからだろうか、見た目学生の俺は非常に目立っている。
なんかやばくない…?
せっかくトリップしたのに最初の出来事が警察に補導とか洒落にならない。
目立つ行為はやめておこう。
喧嘩沙汰も良くない!
そう、例えばそこに溜まっている不良とかね…
「おいてめえ」
うわ、早速誰か絡まれてる。可哀想―…って、俺?
その言葉に不良の方を見れば明らかに視線は俺を捉えていて…
え、早速うううう!?
キョロキョロあたりを見ても3人組の不良はこちらを見ている。
もう半端ないくらいのガン見だ。
ちょ、そんなに見つめられたら照れる。間違えた。そんなに見つめられたら困る!
とりあえず刺激するのは良くない。
ここは謝って穏便に……、
「何こっち見てやがる。」
『え、いやあなた達から喋りかけてきたと思うんですけど。
自意識過剰ですか。』
「ああン!?」
…………………。
やらかしたぁぁぁぁ!!!!!
イラッときてそのまま本音がポロリしてしまった。
いや、落ち着け…、今からでも謝れば……、
「兄ちゃん、顔がいいからって調子乗ってね?」
「そういうすかした野郎は痛い目見ないとわからないらしいな。」
『…そこまでいうならかかってこいよ。』
あおらないで自分んん!!!
そんなこと言うつもりなんて全くないのに言葉が口から勝手に飛び出す。
だけどもう手遅れってことくらい承知だった。
ふふ、そんなの相手の目を見てばわかるさ…。
超殺気立ってるからね!!
「てめっ!ちょっとこっち来い!!」
「俺らの怖さをわからせてやるよ。」
「ちびっても知らないぜ?」
『その言葉、そっくりそのまま返してやる。』
……もうやるしかない。
この世界に来てから最初の想い出は不良との喧嘩に決定。