ТimЁ≠DooЯ

□標的2 異世界
1ページ/4ページ



―――あれ、俺何してたんだっけ。



頭が少しボーっとする。



『んんん……』




重たいまぶたを持ち上げる。目に入ったのは見たことのない天上。



ここ、どこだ?



そう思ったのは本日3回目。



ひんやりとした感覚がし、手を額にあてるとそこには冷たいタオルがのっていた。



誰がのせてくれたんだろ…。




その瞬間、ボケッとしていた脳が一瞬で覚醒した。




バッと起き上がるとくらっときた。我慢我慢……。


妙な感じになんだか目がチカチカする。




「よかった、気がついたんだね!」




酷く聴きなれた声。…ああ、まただ。デジャヴってやつ。



ゆっくりと声の主を見れば心配そうにこちらを見つめていて。ハニーブラウンの瞳にぽかんとした顔の俺がうつっている。





『ああー…、うーんと…。
ごめん、状況説明してくれると嬉しい』



「あ、君がいきなり道端で倒れちゃったから俺の家に連れてきたんだ。
普通救急車呼ぶべきだったんだけどなんか慌てちゃって…」





はは、っとツナは少し困ったように笑う。なんだろう。何かが刺激される。



母性本能的な?





『そうだったのか。悪ぃな、世話かけて』



「いや、全然!お、俺の方こそごめん」



『何で謝るんだよ?』



「いや、だってさ……」




ツナが歯切れ悪く苦笑した。




もしかして…獄寺のことか?確かに肘鉄くらいそうになるし、ボム投げられたけどさ…。





『はは、気にすんなって!あんなの日常茶飯事だからさ』


「に、日常茶飯事?」




うん、ちょっと誇張しすぎたかな!





『ま、まあ…ほら。俺は気にしてないんだしさ。
ツナも気にすんなよ!』




「うん…。
――って、あれ…。俺、君に名前言った?」





やらかした




そう思った時。





「――…やっぱりどっかのまわし者か」





――ジジジ。どっからともなく聞こえたその音と共に火薬の匂いが微かに香った。




聞いたことがある音だ。それも――ついさっき。



音がする頭上を見れば間近に迫る導火線に火がついたボム。



………あれ?また?



デジャヴだ




って違う違う!!!





そう思ってる間にもそれは重力に従って落ちてくる。ゆっくりと――。




うおお、避けないと!


慌てて立ち上がろうとしたらくらっとめまいがする。そういえばさっき倒れたばっかりだった。



しかもシーツで足をすべった。顔面ダーイブ。




ドタっとそれはもう間抜けな効果音をたてて俺は再びベッドに突っ伏した。




ば、爆発する。そう思った刹那。



空気を震わせるような大きい音が鼓膜に響いた。




音の発信源を見れば向けられた銃口からは硝煙が立ち上っていて。




「落ち着け獄寺。
こいつはマフィアに関係ねえぞ」




くせのある幼い子供のような声。


近くに落ちたボムの先は黒く焦げ。後ろを見れば残る銃痕。



誰が発砲したかなんて一目瞭然だ。




「ですがリボーンさん、こいつは…!」



「俺のいうことが信じられねえのか?」



「そういうわけでは…」




当の本人を置いて言い争う(リボーンが一方的だけど)二人にツナと俺は放置状態。



うあ、また逃げたくなってきた。



そんな禁断症状(?)を必死に抑える。なんか鼻息荒い人みたいだ。




「うるせえ」


『すすすすいません…』


「お前じゃないぞ。何謝ってんだ?」




何って……。
鼻息がとか言えない






勘違いした俺は顔を赤くしてうつむく。


いやあ、獄寺に言ってたのね!自分の鼻息に夢中だった。




「じゃ、じゃあなんでこいつは十代目と野球バカの名前を知ってるんすか!?」




「それだけじゃねえ。俺と獄寺の名前も知ってるみたいだぞ。
まあ、なんでかは俺も気になるところだな」



「確かに、なんでだ?」




ひょっこりと。ドアから爽やかな笑顔をのぞかせ登場したのは山本。




主役勢ぞろいだよ…。逃げ道はもうどこにもなしっと。



4人の目がこちらをとらえた。


 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ